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序章1 希望1-8
Tomc Ruseは、HEBEREKE国 宇宙軍 第27機甲師団 を火星へ護送する第7宇宙艦隊に参加し、戦闘部隊の主力宇宙艦Orangeに王家SPと共に乗り込んだ。
Tomc Ruseが激戦地域である火星北半球の地上戦に参加することは、国内外メディアによって全世界へ報道された。
HEBEREKE国政府は秘密裏にTomc Ruseを火星に送り、比較的安全な現地司令部に一定期間駐留させた後、地球に帰還させる計画を練っていた。しかしNAGOYA国HEBEREKE国大使館 宇宙艦隊司令部付記者にHEBEREKE国皇太子の火星派兵をリークされてしまった。
HEBEREKE国皇太子のその行動には国内外で賛否両論が沸き起こった。しかし徐々に、常に誠実で公正な皇太子の人柄を支持する国民達から、皇太子の決断に感銘を受けたと訴える声が多くなっていった。
概ね国民の賛同が得られたと判断したHEBEREKE国政府は、国威発動の絶好機と位置づけた。そして皇太子の護送を第7宇宙艦隊に命令したのだった。
第7宇宙艦隊は、600の宇宙艦船、350機の宇宙爆撃機を擁し、HEBEREKE国宇宙軍の宇宙艦隊の中では最大の規模と戦力を誇っていた。
政府は当初、皇太子が火星上空に待機する第7宇宙艦隊に残って、地上戦での戦況を見守る任務に就くことでHEBEREKE王室と合意していた。
現在の戦闘地域最前線で死闘を繰り広げる兵士たちは、過酷な環境での戦闘に対応するため 100%android or 99%andoroid であった。
GALAXYpedia:
[ 100%android or 99%andoroid化された兵士 ]
科学技術やバイオテクノロジーの発達によって、戦闘によって傷を負ったり死亡した兵士たちは全て損傷部位の再生が可能になっており、脳の損傷部位や程度によってandroid化の割合が決定された。因みに100%android化された兵士には内蔵コンピューターへのプログラミングが必要である。
100%android or 99%andoroid化された兵士の内部組織構造
「第2の地球」として位置づけられた火星
火星は500年程前から「第2の地球」として位置づけられ、この戦争の前からHEBEREKE国・RUKADERI国を中心とした各国が協力してテラフォーミング計画を遂行していた。
現在、火星へは一般旅客宇宙観覧船で2日、兵器などを積載した大型宇宙艦船でも4日程で到着しているが、500年前当時の宇宙技術でも宇宙船で行くと地球からわずか約7ヶ月で到着可能な太陽系の太陽に近い方から4番目の惑星であった。
当時の火星に送り込んだ探索機によって、火星の北半球平地にはかつて大きな海洋が存在した可能性を示す堆積物の痕跡が発見された。そして地質調査によって南半球地下にはその海水が凍結状態で眠っていることが判明した。
火星テラフォーミング計画は、その凍結した海水を溶かすため、
1,火星上空宇宙空間に反射フィルムを浮かせて太陽光線の量を増やす
2,南極地点に熱吸収物質を散布し熱吸収効率を上げる
3,温室効果ガスを噴射し大気を改良する
を実施してコケなどの植物を自生させて火星大気中の酸素濃度を多くしていき、
1000年後には原始地球に似た「第2の地球」を作り出す計画である。
火星テラフォーミング計画の実施から500年以上経過した現在は、自生したコケは様々な植物へと進化し、酸素の量は徐々に増加していた。そして火星南半球の凍った海水は大部分が北半球に解けだし、南半球は沼地化していた。
火星北半球の地上戦での戦闘は激烈を極めていた。
他惑星と比較してテラフォーミングの最も進んだ火星は地球人にとって「第2の領土」としての意識が強く、両陣営ともそれぞれ、南半球の沼地を避け北半球の広大な中州となった高台に司令部を設置した。
そして両陣営の戦闘は、火星全体としては数少ない大陸のような広大な中州の奪い合いとなっていた。
多くの犠牲者を出した火星北半球中州での地上戦
Tomc Ruseが王室SPと共に、HEBEREKE国 宇宙軍 第27機甲師団に合流して、火星北半球地上戦での過酷な戦闘に参戦した衝撃報道がインターネットによって全世界に配信されてから間もなく、RUKADERI宇宙軍統合参謀本部所属主力宇宙艦隊の大軍船団がRUKADERI本国から出動した。
*この物語はフィクションであり、登場する国・組織・人物その他の設定は全て架空のものである。