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序章1 過ち1/2
通説として、およそ46億年前に地球は誕生したことになっている。
天然存在比 99.275%のウラン238が放射線を放出しながら鉛206に変化する性質を応用した測定法からだ。
しかし、地球はそれよりも更にはるか100億年以上前から存在していた。
遠い昔、そう、今からおよそ46億年前に話は遡る。
現在と同じように前紀人類と呼べる私たちの間接的祖先は食物連鎖の頂点に達していた。
そこから更に遡ること6500万年前、前紀人類の祖先にあたる生物が住む地球に落下した、直径10Kmの隕石がそれまで地球を征服していた巨大爬虫類を絶滅させた
。
その後進化を繰り返した前紀人類の祖先にあたる生物は、幸運にも2足歩行を手に入れ、他生物より脳の進化を速めたのだ。
そのことが連鎖の頂点に立った主要因と考えられる。
そして更に、社会的に成熟していった前紀人類は、国家単位で居住・生活し、
政治・経済活動を他国との間でも積極的に行っていった。
経済利益の拡大が国家の富を蓄積し国民を裕福にした。
そのため国民は、もっと多くの利益を得てその生活を豊かにするべく、
積極的に国家リーダーを選出し、また、更に生活を豊かにするように誘導した。
次第に各国間で損益の均等が崩壊し経済活動や交流が行き詰まると、どの国も軍備を強化して威圧したり、実際に武器を使用して多くの犠牲者を出しながら利益を搾り取ったりした。
その武器開発のための科学技術が発達し、より多くの人々を一瞬のうちに殺傷する核兵器や細菌兵器も作られ使用された。
また、皮肉なことにその傷病者を治療するためのバイオテクノロジー等も発達していった。
しかし人々は、多くの犠牲者を生む、度重なる大きな戦争を回避するため、国家間の紛争を多数決で解決し回避する世界的機関をいくつか作った。
しかし既に大国になっていた先進国間には効力が無く、その議長も小国の中から選出される始末だった。
その経済的イデオロギーの違いから、先進国間の勢力が2極化し、事あるごとに双方が対立した。そして、そのリーダー的な国家が超大国として各勢力に一国ずつできた。
西側のHEBEREKE国と東側のRUKADERI国である。
しかしさすがに先進国同士の直接戦争が起こると、地球規模の取替えしのつかない被害が出ることを懸念した先進国は、その経済力で発展途上国に傀儡政権を打ち立て、武器を供与して代理戦争を促進させた。
代理戦争は勝敗に関係なく、先進国に巨額の富をもたらした。
発展途上国のうち地下資源を保有する国には、先進国がその傀儡政権に賄賂を渡し、武器を供与した見返りに自国に有利な不平等な共同発掘権を獲得した。人口の多い国には、先進国が自国企業を誘致して過酷な労働条件のもと、発展途上国の国民を低賃金で働かせた。
その間、大きく膨れ過ぎた世界経済は、度々大小の破綻と再生が繰り返された。
そして次第に先進国間でも経済が行き詰まり、再生不能な債務不履行が次々と起こり始めた。
そして、世界的に普及したインターネットにより、各種情報が氾濫し始め、発展途上国においても威圧的な先進国やその企業・傀儡政権に不満を持つ国民が各国で暴動を起こし、先進国内でも無差別テロを実行した。
東西両陣営の先進国間でも、経済イデオロギーや世界的人権意識からの理論的矛盾、相次ぐテロ被害から、国政の方向転換を画策する勢力が攻勢を強め、無作為拡大戦略から国内及び小集団国家間の相互補助経済への移行が進んだ。
その結果、先進国の政策転換により発展途上国の傀儡政権は後ろ盾が無くなり、相次いで民族主義者を中心とする改革派集団に国政を移譲していった。
発展途上国間でも周辺国を傘下に置いて超大国になった国々は、積極的に他の発展途上国に経済協力を働きかけるきっかけができた。
発展途上国の超大国はその国力にものを言わせ、自由奔放な理論で領土を拡大していき、
また、先進国間の同等な為替取引には参加せず、自国に有利な立場で利益を蓄財して、それをまた国力増強に注ぎ込んだ。
その後、世界各地で内紛・テロ、領土問題が勃発し、直接的・間接的問わず要望に応じて
当事者双方に武器を供給していた世界の超大国は、次第にその要求がエスカレートして過激になってきていることにある種の不安感を感じ始めていた。
発展途上国間における戦争の継続が相変わらず世界の超大国達に利益を運んでいたが、各戦争当事者双方は心身共に疲弊しており、戦争の早期解決と自国の立て直しに移行する道筋を模索し始めていた。
そして前紀地球暦2020年8月、戦局が劣勢にあった中西の戦争当事国MAHAJIRUDAが、その打開を画策し、秘密裏に発展途上国の超大国FUNDAから核兵器を購入、もう一方の当事国ALUBARAの市街地に核弾頭付ICBM(大陸間弾道ミサイル)を投下し多くの犠牲者を出した。
大きな国際機関の会合において、MAHAJIRUDAに間接的に武器を提供していた超大国HEBEREKEの代表者には、国際法に違反する核兵器売買の疑惑を、敵対する国々の代表から向けられたが否定し続けた。
この頃になると国際機関と呼べるものは、過去にもまして有名無実化していた。
もう一方の当事国ALUBARAに武器を供与していた超大国RUKADERIは当然のようにALUBARAに核弾頭付ICBM(大陸間弾道ミサイル)を供与し、ALUBARAは報復攻撃のため敵対するMAHAJIRUDAと超大国HEBEREKEの首都Tokioへ核弾頭付ICBMを一基ずつ打ち込んだ。
HEBEREKEの首都Tokioは壊滅し多くの犠牲者を出した。
当時の政権与党jimirudaは首都をTokio近郊のatsugi simokawairi に移転して国家の体制を立て直した。
それが発端となり世界はHEBEREKE陣営とRUKADERI陣営による発展途上国をも巻き込んだ第三次世界大戦へと突入していった。
*この物語はフィクションであり、登場する国・組織・人物その他の設定は全て架空のものである。