序章1 希望1-3
Angeliraは、悩んでいた。
彼女はPitterに恋心を抱いてしまったのだ。
しかしPitterは現在、Angeliraと同じ吹奏楽部所属の同級生Jennyの恋人である。
Angelira自身はサッカー部のイケメンフォワードBobyと別れたばかりだった。
校内でのAngeliraは大人しく恥かしがりやで目立たない存在だったが、実際には純粋に愛を追及する一面も持っており、多くの男子学生とつきあっては裏切られ・・そして裏切り・・幾数回もの出会いと別れを繰り返していた。
「どうしよう・・・」
Jennyは吹奏楽部のトランペットパートでAngeliraはサックスパートである。パートは違うが合同練習では毎日のようにお互い顔を合わせて談笑している。
「やっぱり・・気まずいなあー~~~・・・」
Hyu~~~papapapa~~~n・・・Hyu~~~papapapa~~~n
「国王万歳!!国王万歳!!国王万歳!!・・・・・」
HEBEREKE国
国王Robert up三世の奇跡の攻撃
この頃、国威発動と民意掌握のため、各地下都市では閉鎖された空間のいたる所で、政府主導による戦争結果の報道をon time 放送されていた。物心つく前から、TVやインターネットでRUKADERI陣営との戦争報道と相まって頻繁に出演して圧倒的な奇跡の攻撃を行う、殆ど全てのHEBEREKE陣営の民衆から信頼されている英雄を見るたびに、Angeliraは悲しく悔しい気持ちに陥っていた。
「不倫や略奪愛は、誰も幸せになれない!・・・」
実はAngeliraは、HEBEREKE国の英雄 国王Robert up三世とその愛人である母との間にできた隠し子であった。
しかし、彼女は現在まで父親である国王とはまだ一度も直に会ったことがなかった。
母子二人は、国王とその王室筋から内々に援助を受けていたが、日陰者として細々とAtsugi simokawairi地下都市で暮らしていた。
HEBEREKE国の英雄 国王Robert up三世は稀代の特異体質の持ち主であった。
戦況が不利になると、彼は放射能防護戦闘服を着ず、黄色い衣を素肌に羽織って単身紛争地域の最前線に赴き、手のひらを相手陣営にかざして白色の光を発した。すると不思議なことに敵の兵士たちは皆、戦意を喪失して武器を放棄するのだった。
この頃、細菌や放射能によって汚染された地上での戦闘に適応させるため、両陣営は100%android or 99%android兵士を紛争地域に送り込んでいた。
国王はandroid兵士ではなく生身100%の人間で、当時の発達した科学分析技術をもってしても国王の特異体質や白色の光成分は十分に解明されなかった。
ただ白色光の成分が被験者のある一定の思考伝達回路に働き、国王の意思に従属させる別の回路を形成させるように作用することは解明されていた。
つまり彼は「超能力者」という位置づけであった。
敵対するRUKADERI陣営の兵士からは、「無血の悪魔」と呼ばれて恐れられた。
国王Robert up三世の血を引くAngeliraは恋多き女性であったが、男女交際には彼女自身が自分のモラルを持っており、交際する相手の条件として自分で線引きをしていた。
そして、彼女はその一線を越えることは今まで一度も無かった。
それは愛人としての道を選んだ母と、その母を愛し・・そして捨てた、実父Robert up三世 国王 へのAngeliraの無言の抵抗でもあった。
そのAngeliraが、事もあろうに同じ吹部の友人の彼氏にモノホンの恋をしてしまったのだ。
「うわああ~~落ち込むわあああ~~~~・・・」
Angeliraは、後夜祭の心地良い余韻とPitterの優しい笑い顔、自分に向けられた彼の魅力的な視線を思い出しながら・・・同じ吹部の友人であるJennyや自分の理性に対しての気まずく憂鬱な気持ちと、それを上回る程のpitterとの愛の予感に体を震わせて・・・いつの間にかAtsugi simokawairi大学東側の住宅区域にある、母の待つ自宅に到着していた。
HEBEREKE国
国王Robert up三世
*この物語はフィクションであり、登場する国・組織・人物その他の設定は全て架空のものである。
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